バランスのいい考え方を
身に付けましょう
私たちの気持ちや行動は、その時に頭に浮かんだ「考え」(自動思考)によって影響されます。
考え方のバランスをとる方法に、コラム法があります。ここで、その方法について説明することにします。
私たちの気持ちや行動は、その時に頭に浮かんだ「考え」(認知)によって影響されます。
つらい出来事があったとき、次のようなコラムを使って考えを整理していくことで、気分を改善し、対応策(これからの
プラン)を考えることに役立ちます。
STEP1:状況を書き出しましょう
最近、つらい気持ちになったときの具体的な出来事を書きます。
※ある特定の出来事、5W1H(誰と、どこで、なにを、なぜ、どのように)を心掛けてください。
STEP3:自動思考を見つけましょう
自分自身に対して、次のような質問をしてみましょう;
「その時どんなことが頭に浮かびましたか?」
例えば...
・自分のこと
・誰か他の人のこと
・今後のなりゆき
記憶を遡り、自由に書いてみましょう。
STEP4:”ホットな思考”を見つけましょう。
上で上げた自動思考のうち、その時の気分を最もよく説明する考えを、”ホットな思考”と呼びます。
ホットな思考に○をつけておきましょう。
STEP5:バランス思考に切り替えましょう
バランスのある考え方には、
以下の3つのアプローチがあります。
1.事実にもとづいて考える
2.「認知のかたよりに注目する」
3.視点を変えてみる
の3つです。順に解説します
1.事実にもとづいて考える
そう考える理由(根拠)と反対の根拠(反証)を考えてみます。
- 【根拠】 そのように考える理由 -
根拠はどのように見つけたらいいのでしょう?まず、自動思考を裏付ける客観的な事実だけを書きます。"きっと〜だろう””は「想像」にすぎないため、事実だけ書くように心掛けましょう。
- 【反証】 反対の根拠 -
次に反対の根拠を探してみましょう。最良のシナリオと最悪のシナリオを想像してみて、現実的なシナリオを考えてもよいでしょう。
2.「認知のかたよりに注目する」
私たちはしばしば、「認知のかたより(認知のアンバランス)」と呼ばれる、非機能的な考え方のパターンに陥っています。これは、多くの人が共通して持っているものですが、うつ状態だと特に顕著になることが多いのです。
- 認知のかたよりの例 -
①感情的決めつけ
証拠もないのにネガティブな結論を引き出しやすいこと。「〇〇に違いない」と思い込むこと
②選択的注目(心の色眼鏡)
良いこともたくさん起こっているのに、ささいなネガティブなことに注意が向く
③過度の一般化
わずかな出来事から広範囲のことを結論づけてしまう
④選拡大解釈と過小評価
自分がしてしまった失敗など、都合の悪いことは大きく、反対によくできていることは小さく考える
⑤事故非難(個人化)
本来自分に関係のない出来事まで自分のせいに考えたり、原因を必要以上に自分に関連づけて、自分を責める
⑥”0か100か”思考(白黒思考・完璧主義)
白黒つけないと気がすまない、非効率なまで完璧を求める
⑦自分で実現してしまう予言
否定的な予測をして行動を制限し、その結果失敗する。そうして、否定的な予測をますます信じ込むという悪循環
3.視点を変えてみる
バランス思考を導き出す3番目の方法は、視点を変えることです。次のように、自分に問いかけてみて、「自動思考」をもう一度考え直してみましょう。
・家族や友人が同じような考えをしていたら、どのようなアドバイスをするだろう?
・他の人(〇〇さん)がここにいたなら、どうアドバイスしてくれるだろう?
・他の人(〇〇さん)なら、他の見方をしないだろうか?
・元気な時だったら、違う見方をしないだろうか?
・以前、同じような経験はなかったか?その時どう対処しただろう?
・自分ではどうしようもない事で、自分を責めていないだろうか?
・自分が今悩んでいることの「意味」を考えることも時に役に立ちます
「なんのためにこれをやるのだろうか?」・・・最終的な目的
「自分はどんなことを心配しているのだろう?」・・・心配する結果
などを検討してみましょう。
バランスのある考え方のイメージが何となく掴めてきましたでしょうか?
- 【適応思考】バランス思考 -
最後にバランス思考を実践しましょう。根拠と反証を”しかし・・・”でつないでみて、適応思考(バランス思考)を考えて見ましょう。
STEP6:気分の変化
最後に、7段目のコラムに、当初の"気分"はどのように変化したかを書きます。気分は改善しなくても、これからの対応策や行動プランを思いつければ成功です。
| 状況 |
|
| 気分 |
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| 自動思考(ホットな思考に○)(確信度%) |
○ |
| 根拠 |
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| 反証 |
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| バランス思考・プラン |
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| 心の変化 |
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